Apple Pencilに対応した新しいiPadはお絵描きにも使えるのか

2018年4月4日

Apple Pencil対応の新しいiPad登場。

第6世代iPad = 第5世代iPad + A10 Fusion + Apple Pencil

皆さんは去年2017年の3月に発表された、第5世代iPadを覚えているでしょうか。iPad AirのボディにApple A9プロセッサ(iPhone 6s相当)を搭載した、安価なiPadです。

分厚くて重いだの、フルラミネーションディスプレイじゃないだの、色々と言われてはいましたが、性能面では申し分なく安価でお求めやすいiPadでした。

今回新しく発表された第6世代iPadは、大部分は第5世代iPadのまま変わりはありません。大雑把にいうとプロセッサをA9からA10 Fusionにして、Apple Pencilに対応しただけのモデルとなります。(人体検出と顔検出や対応LTE Bandの差、カラーラインナップの違いはありますが……。)お値段も税込40,824円からと据置きです。

さて、今回の目玉はApple Pencil対応。絵描きなら思うはずです、これで絵は描けるのだろうかと。

最小構成は40,824円(税込)ペンをつけると52,488円(税込)

32GBのWi-Fiモデルなら40,824円(税込)で、Apple Pencilをつけても52,488円(税込)です。Apple Pencilの使えるお絵描き環境としては現状これが新品での最安値かと思います。

※ちなみにペン付きの8インチWindowsタブレット、raytrektab DG-D08IWPは49,800円(税込)です。

5万円台のお絵描き環境、本当に使えるのか

処理能力は?メモリは足りる?32GBで大丈夫??こればかりは使ってみないとわかりません。

というわけで。

買いました。

AppleCare+をつけたので61,560円(税込)でした。

ペンが使えるタブレット、買わないわけが無いんだよなぁ!(ておくれ)

余談ですがオリコのローンだと12分割まで金利0%です。

ペンの充電はしっかりしておこう

当たり前のことですが、Apple Pencilの充電はしっかりしておきましょう。

早速使おうとiPadに接続したらペアリングが出来なかったり、ペアリング後も全然動かなくなってしまったりと少し慌てましたが、単純に電池切れでした。

充電に何十分何時間と必要ありません。ほんの数分で問題ないです。バッテリー残量はその他のBluetooth製品と同じように、iPadから確認できます。

フル充電したApple Pencilは、利用しているとiPadとほぼ同じ速度で充電が減っていきました。結構余裕があります。

CLIP STUDIO PAINTを試す

iPad向けのイラスト制作アプリは様々なものがリリースされていますが、現在iPad向けにCLIP STUDIO PAINTがリリースされています。イラストを描くソフトウェアとしてド定番となった「クリスタ」はWindows/macOS版と同じインターフェースで、使い勝手もほぼ変わらないことが最大の特徴です。

いつものあの画面が、そのままiPadに表示されていることに正直違和感を持ちますが、使い慣れたクリスタが利用できることは最高の一言に尽きます。

タッチ操作を描画に使うのかどうかなどの設定をしておこう。これを怠って初期設定のままだと指が触れた時に描画されてしまう。

使い勝手はPC版そのもの。レイヤーを多用しないちょっとしたイラストであればA4 300dpiでも問題ない感じです。

マルチタスクな事も可能。Safariで調べ物をしながら描いたり、MastodonのTLを眺めながらのんびり過ごしたり。

フルラミネーションディスプレイではない、では視差は?

ペン先を置いてiPadを斜めから覗いてみると、なるほど確かにズレがあるようです。ペン先が空中に浮いているような、そんな感覚です。

しかし、普段イラストを描くときの体制では特に気になるようなことはありませんでした。iPadを正面に見据えていれば少なくとも浮いてるような状態には感じないはずです。

ただ、ペンを斜めに持って描画をした際に、少し手前側にズレは生じるのは確かです。特に保護ガラスなどを貼っているとそのズレは顕著になります。(保護ガラスはペン先が滑る、それはそう。そこはお好みで。)

ペン先のズレについては、お絵描きできるWindowsタブレットで鍛えられた皆さんなら全く問題はないかと思いますが、ホバリング時にカーソルを表示はできませんので、カーソル頼りの描き方をしていると苦戦を強いられるかもしれません。

ストレージやメモリは足りる?

今回購入したのは32GBモデルです。

イラスト用途以外で利用する予定がなかったので、最初からインストールされているiMovieやKeynoteなどのアプリをアンインストールしました。その状態でクリスタなどをインストールしても大体6GBぐらいに収まります。

クリスタそのものは400MB程度で、ここに素材や描いたイラストの分が乗っかってくる形になります。軽量さという点ではProcreateがいい感じのサイズですね。

 

ゲームを複数インストールして遊ぶということをしなければ32GBでもかなり余裕があると思います。

また、メモリ容量は2GBとのことだそうで、iMonitorでチェックしてみた感じでは特に何も起動していない状態で空きが500MB程。クリスタなどのアプリを立ち上げると数十MBを残してほぼ使い切る状況になります。

但し、あくまでもこれは何にも利用していない純粋な空き領域がほぼ無いというだけの話であり、利用しているアプリがそれぞれどの程度メモリを確保し、上手くやりくりしているかまでは分かりません。

A4 300dpiで50枚ぐらいのレイヤー数であれば問題なく利用できましたので、それなりに余裕があるかと思います。

iPad Pro 9.7とは何が違う?

2016年3月に発売された、「iPad Pro 9.7」とはどう違うのか。

iPad Pro 9.7は既に販売を終了していますが、同一サイズのApple Pencilが使えるiPadとして、どのような差があるのかは気になるところです。

性能はiPad Pro 9.7よりちょっと高い

iPad Pro 9.7はA9Xプロセッサに反射防止コーティングが施されたフルラミネーションディスプレイを搭載。ディスプレイは広色域(P3)で、True Toneにも対応。RAMの容量は2GBです。

それに対して第6世代のiPadはA10 Fusionプロセッサを搭載し、RAMは同様の2GB。広色域でもなければTrue Toneもなく、反射防止コーティングとフルラミネーションディスプレイはありません。

その他カメラやスピーカー等幾つかの違いはありますが、快適に絵を描くうえで重要な「単純な処理性能」という点では、第6世代iPadのほうがA10 Fusionを搭載している分アドバンテージがあります。

ディスプレイは劣る

やはり気になる点があるとすれば、第6世代iPadはディスプレイ部の機能がごっそりと削ぎ落とされているという点。

反射防止コーティングがされていないということは、Proよりも反射して物が映り込むということになりますし、フルラミネーションディスプレイでない分だけ視差が生じます。発色や色の正確さ、見やすさ等もiPad Pro 9.7に劣ることになるでしょう。

iPad Proより劣るからといって、色がおかしいであるとか、表示品質に問題があるかというとそういうわけではありません。その点はいつも通りのApple品質です。

それを踏まえると、絵を描くうえで色を最重要視する人にはあまりオススメできないです。もっとも、2GBというメモリ搭載量的に印刷用途の高解像度イラストを描くには不向きなので、Web用のイラストではなく印刷物を制作するのであれば素直にiPad Pro 10.5や12.9を選ぶべきです。

第6世代iPadは「第5世代iPadの性能を向上して、Apple Pencilに対応しただけ」であり、やはり「Proではない」のだと感じられます。

落書き用途なら◎

ひとまずサクッと利用してみた感想としては、落描きを快適に楽しむにはとても良い環境であると感じられました。

予算が5万円程度あり、楽しくお絵描きをしたいというのであれば、とても良い選択肢でしょう。

しかし、精密な描画がしたいであるとか、高解像度のイラストを描きたいとなると厳しさがあります。搭載メモリが2GBですのでPCと比べるとすぐに限界が来ることでしょう。そこは使い分けていきたいですね。

大雑把な評価をするなら、遊びはOKで仕事はNGといったところでしょうか。概ね予想通りな感じでした。以上です。